B08 測定方針

室長:さて測定できる環境になったわけだが、具体的にどう測定していくかが問題だ。

助手:イコライザ関係を調べていくといくつか市販品があってそれぞれ測定法が違うみたいですね。

室長:うむ。ここは伏せ字にしてもしょうがないので実名でいくぞ。クレームがあれば実名は引っ込める。いちおうお約束の断り書きをたのむ。

助手:分かりました。

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これでよいですか?

室長:うむ。まず、一番簡単な方法からいくぞ。スピーカーは実際の場所、測定位置はリスニングポイント1点という方法だ。

助手:アキュフェーズのDG-48などですね。

室長:DG-48はワーブルトーンでの測定なのでおそらく位相の測定はできてない。フィルタもIIRだしな。ただしそれがどれだけ音質に影響があるかは疑問だ。アキュフェーズの技術者もFIRフィルタを試しているだろう。それでもあえてIIRを使って周波数特性のみの補正に徹し、それを高音質に行うことに全精力を傾けたと見るべきだろう。

助手:リスニングポイント1点測定はどうですか?

室長:うむ、これは理想的にいけばよいが実際の部屋では誤差が出やすい。せめて数ポイントの測定を平均化できる機能が欲しい。実際のリスニング時に自分の耳が動くであろう範囲を何ポイントか測定するわけだな。

助手:リアルサウンドラボのCONEQ、APEQはどうですか?

室長:この製品はかなり独特な測定方法をとっているな。フィルタはFIR、ログスイープを片側200ポイントで測定している。どういう補正をしているかは不明だし推測も控えるがここではもしこの測定法でワシが補正フィルタを設計するならどうするかを述べてみる。

まず低域は単純に200ポイントを位相も含めて平均化し、位相まで補正するようにする。高域は定在波の影響を避けるためにインパルスレスポンスを短く切り取る。その上で200ポイントの中でレベルの高いところを選んで平均をとる。なぜなら高域では指向性が強く、200ポイント全部の平均をとると実際より小さい値になってしまうからじゃ。あとある程度以上の周波数では位相補性は行わない。どの周波数以上で位相を無視するかは測定値の位相のばらつきから判断するか、実際に聞いてみて判断する。あとこの方法で測定したとしてもワシならリスニングポイントでの測定を追加してさらに補正する。

助手:DEQXはどうですか。

室長:これはスピーカーから1mの距離で部屋の反射を除いた測定・補正をしたのちにリスニングポイントで測定・補正する。これもフィルタはFIR、測定信号はログスイープだ。標準でマルチアンプ対応しているし、マルチアンプの測定・調節法としてはこれしかないだろう。直接音を左右なるべく揃えて、部屋の影響は最低限のイコライジングですます方針のようじゃ。部屋の左右の違いが大きい場合にはAPEQの方が影響を軽減できるかもしれん。

助手:では実際にどのように測定していきますか?

室長:理想をいえば中高音はDEQX方式、低域はAPEQ方式かな。だが面倒ならリスニングポイント1点測定でもある程度の調整はできるぞ。測定なしで調整するよりは遥にマシじゃ。

そういうわけでひとまずリスニングポイント1点測定をやってみよう。

助手:さんざんあれこれいって、結局は一番簡単な方法ですかぁ…

2012年12月28日

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