B18 タイムアライメント

室長:今度は3wayの各ユニットのタイムアライメントを合わせてみよう。その前に一応常識として言っておくが、タイムアライメントよりも位相を合わせることの方が重要なのだ。フィルタで位相がずれたら振動板の位置を前後して位相を合わせるようにしなければならない。場合によっては逆相にする場合もある。そうしないと周波数特性が平坦にならないのだ。

助手:位相を合わすのとタイムアライメントとは同じ意味じゃないのですか?

室長:例えばB&Wの800シリーズDiamondという評判の良いスピーカーがある。未聴だがな。とりあえずB&Wのサイトを見てくれ。真横と真上からの写真がある。これを見ると振動板の位置はツィーターが一番手前だ。実際にツィーターからの音がミッドレンジやウーファーよりも先にリスナーに届いているはずだ。だがこれで良いのだ。スピーカーユニットとネットワークの特性でこの位置でクロス付近の位相が合うようになっているのだ。このスピーカーをツィーターの振動板の位置をミッドレンジと揃えるようにするとかえって変な音になってしまうだろう。

助手:たしかにツィーターが一番手前にありますね。逆にavalonのようにバッフルを傾けてツィーターの位置を下げているスピーカーのありますね。

室長:avalonの場合にもあの位置で位相が合うように設計されているのだ。繰り返すが振動板の距離をリスナーから揃えることすなわちタイムアライメントよりも位相がずれないようにすることが重要なのだ。

助手:では位相の合わせ方をお願いします。

室長:実は直線位相のチャンネルデバイダを使っている場合には距離を合わせればそのまま位相が合うことになるのだ。すなわちタイムアライメントを合わせる=位相をあわせることになる。さらにデジタルディレイが使えるので振動板の位置を物理的に揃えなくてもタイムアライメントを調整できるのだ。

助手:タイムアライメントを合わせる位置はどこになるのですか?コーン型の振動板は深さがあるのでどこに合わせれば良いか分かりません。

室長:実際に測定して音が出るタイミングが合うようにすれば良いのだ。ローパスフィルタを使わずにウーファーは素通し、ミッドとツィーターは壊れないように100Hzと2500Hzのローカットのフィルターを通してインパルスレスポンスを測定し、ピークを合わせばよい。高域を帯域制限するとピークを合わせにくいからな。

助手:インパルスのピークで合わせるのは間違いでステップレスポンスの立ち上がりで合わせなければいけないんじゃないですか?

室長:直線位相のチャンネルデバイダを使えばどちらも同じだ。直線位相でないフィルタを通すと低域のピークと高域のピークがズレるのが当然なので立ち上がり位置で合わすことになる。もっともB&Wの例でも分かるように立ち上がりを揃えたから位相が揃うとは限らないがな。

では次回は実際に測定してみるぞ。

2013年1月31日

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