G02 アナログチャンネルデバイダ

室長:さて、アナログチャンネルデバイダをデジタルにする場合に判断が難しくなるのは機材の変化とフィルタの特性の変化が同時に起きてしまうからだ。

助手:確かステレオサウンドの傅氏の記事でもアキュフェーズの技術者がオリジナルのアナログチャンデバの特性を解析してその近似値をデジタルチャンデバで再現しようとしましたが上手くいかなかったことが書いてありました。

室長:それはアキュフェーズのデジタルチャンネルデバイダがIIRフィルタでなおかつ係数を自由に変えることが出来ないからなのだ。FIRフィルタを使えば解析したデータをそのまま使ってそっくり同じ特性が再現できるのだ。

助手:では早速その方法を….教えてもらわなくても分かります。

室長:デジタルフィルタの基本中の基本だからな。では簡単に説明してくれ。

助手:ログスイープ信号をアナログチャンデバに入力しデバイディングされたそれぞれの出力をデジタル録音するだけです。その結果に逆フィルタをかけてインパルスレスポンスに戻します。要するに普通のインパルスレスポンス測定です。マイクを使わないのでかなり正確な測定が出来るはずです。これを適当な長さで切り取って整えればそのままFIRフィルタの係数になります。

室長:こうやってフィルタを作れば周波数特性と位相特性がもとのアナログチャンデバとそっくり同じデジタルフィルタの出来上がりだ。もちろん群遅延やタイミングも全く同じだ。ただし歪率とかSN比などは再現できない。またデジタルノイズやジッタの問題もあるから元のアナログチャンデバより音が良くなるとは限らない、というか悪くなる可能性の方が高い。しかし全く同じ特性のフィルタが作ってあれば少しは安心できるだろう。そうそう、ノーチラスはスピーカーを測定してアナログチャンデバを調整していたらしいのでスピーカー付属のチャンデバを測定しなくては意味がないぞ。他のノーチラス付属のチャンデバの測定結果をそのままもらってもしょうがない。

2013年4月13日

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